見送るのは、未来へ歩むように、
朝日に向かう背中
新入社員時代
①当時を振り返って
子どもの頃からブロック遊びが好きだった。
自分なりに考えて何かを組み立てるのが好きだった。
きっかけは高校生の時。製図に夢中になった。
だから大学を出たら、設計ができる仕事をしようと決めていた。
機械設計って難しい、簡単じゃない、そんなことはわかってる。
でも、自分のやりたいことをしたい。機械設計をしたい。
ふと、夢が叶えられると思える会社と出会った。
子どもたちに向けてロボット教室を開催して教えたり、
実際の設計に携わる座学だったり、資格取得を支援していたり…。
それがメニックスだった。
色んな機械設計に挑戦している会社だな。と。
メニックスのことを調べるうちに、熱くなっていく自分がいた。
「機械設計がやりたい」 「オリジナルの機械を設計したい」
考えれば考えるほど、キモチは膨らんでいく。
気付けば足は、説明会に向かっていた。
「素直に自分のキモチをぶつけよう」 熱い思いとは裏腹に、ただただ静かな口調の自分がいた。
②両親より
「いってきます」
振り向く顔は笑顔
ブロック遊びが大好きだった息子は、高校生になり設計の仕事を志した。
夢のため地方の大学に進み、就職を機に再び実家へ。
土木・建築系の仕事に就く父も、モノづくりは得意。
父親が言う。
「機械設計は、一ミリの誤差も許されない緻密な仕事。
あんな細やかな仕事をしているなんて、父親としては、正直にすごいと思う」
息子は饒舌な方ではない。
それでも分かるのは、好きな仕事に就いて毎日が楽しいこと、人間関係が上手くいっていること。
親として安心する。
「いってらっしゃい」
その声に、今日もがんばって、という想いを込めて。
③人事・採用担当より
「やりたい」と「できる」それが社員と会社の対等な関係だ。
メニックスは設計会社。
だから「設計をやりたい」という気持ちが一番大切だ。
君とは最初から一対一の説明会だった。
静かな口調に秘めた熱い意志を知る。
履歴書を用意していた君に、私は「このまま選考にしようか」と言った。
「設計がやりたい」といった君。その気持ちが純粋で、確信する。
メニックスという会社を舞台に、きっと良い技術者になる、と。
一流のエンジニアに育ってほしい。と。
一年目、資格試験に落ちた君。「なぜ?」素直な感想だった。
君なら絶対に受かると思っていたから。現場の評価だって上々だ。
『来年は必ず合格します』
その言葉通り、君は二年目、同じ資格に合格した。
さらに『来年はもう一つ上の資格を目指します』。
その時の眼差しは、説明会のために地方から来た日と同じ、静かで熱い君だった。
前へ、前へ、歩く。
隣を見る真剣な顔に気づく
一般社員時代
④当時を振り返って
入社した頃と比べたら緊張感も解け、CADを触らせてもらう時はとても楽しかった。
同じ高校の仲間も同期入社だったので、昼休みは他愛のない話で時間を忘れていた。
でも、大学で習っていた部分もあるけど、わからないこともまだまだあり、 特に設計に携わる座学は難しいなと思った。
誤差1つが大事故に繋がりかねない。
今思えば挫折しかけていたかもしれない。
遊びと仕事ってやっぱり緊張感が全然違うんだな。と。
そんな時、ふと周りを見ると、温かい眼差しで見守ってくれてる先輩がいた。
「そうだ。聞いてみよう」「でも緊張するなぁ」
恐る恐るわからないことを聞いてみた。
そこにはすぐに丁寧に教えてくれる先輩方がいた。
「なんだ。難しく考えすぎていただけか」
「無理に背伸びしなくても良いんだ」
説明会に向かった頃のキモチを思い出す。
熱いキモチは行動に変わり、ある時、先輩に声を掛けられる。
「この仕事を任せても良い?」「君ならできるから大丈夫」
一歩ずつでも、着実に、確実に、夢に向かって前進しているからこそ、見える景色が変わってくるんだなと実感した自分がいた。
⑤同期より
入社式で顔を合わせて「あ…」実は高校の同級生だった。
配属部署が違うから、話すのは仕事中より昼休みが多い。
それから資格試験の勉強会や、同期の飲み会だとか。
お互いバンドをやっていたから、いつかまたバンドをやりたい、なんて話も。
つい盛り上がって、時間を忘れてしまう。 他愛のない話題で笑う。
でも本当は思っている。
こいつは会社の中でも頼られて、すごいやつだって。
こいつのいる標準という部署は、その機械の基本仕様を手がける部署。
今すでに使われているものの修正が多い。
ずっと使われている仕様だと、例えば十年前は最新でも今は不具合が起きることもあるからだ。
誰が書いたかも分からない図面に対応して、怒りもせず社内メールでテキパキと指示を出す姿。
すごいな、と思う一方、負けてられない、と思うんだ。
⑥先輩・上司より
「あいつに任せてみよう」
二人の口から、同時に出た言葉。 彼には見込みがある。
だから部署全体の改善・不具合対応を任せた。
改善・不具合対応は、他部署からの質問や要望に、的確に対応していかなければならない。
周囲を見渡し、臨機応変に行動する力。
先を見通し、もしこの部品を動かしたら…と慎重に検討する力。
どちらも必要だ。簡単な仕事ではない。
簡単でないからこそ、設計という仕事をする上での土台となる。
「彼が将来、この経験を活かしてオリジナルの設計を手がけたら…」
考えると、 自分たちまで胸が熱くなる。
「育てたい」と素直に思う。
そんな後輩の存在が、自分たちをも勇気付ける。
部署全体を、会社そのものを動かしていく。
「あいつならできる」は「あいつだからできる」へ。
いつの間にか、丁寧な仕事ぶりに助けられている自分たちがいる。
ここにいるから、見えた景色がある。
出会えた人がいる
係長へ
⑦係長に昇格して
係長に昇格してからは、自分のことだけでなくチームとしての進行が潤滑に進むように意識し始めた。
もちろん、各チーム間の業務調整や今まで経験したことのない社内折衝もあって緊張や難しいことも多く、特に新人への指導は、右も左もわからない人にどうすれば伝わるだろう?と教える難しさを知った。
ただ、一般社員の頃から徐々に係長のタスクも経験させてもらえていたので、気持ちの面ではそこまで戸惑いもなくスムーズにできたかなとは感じている。
こういった先を見据えた経験をさせてもらえるのは、
メニックスに入って良かったなと改めて感じる瞬間でもあった。
また、係長になってから顧客と直接やり取りする機会も増えた。
知識不足でのコミュニケーションロスや準備不足で怒られることもあったが、「やっぱり頼んでよかった!」と笑顔で言ってもらえる瞬間は、今までの努力が報われてやりがいを感じられる瞬間だ。
この嬉しさを、機械設計のスペシャリストを目指すこれからの人にも感じてもらいたい、
メニックスに入って良かったと思ってもらいたい、
その為に、チームとして大きな成果を成し遂げ、
上司・部下からも信頼される人になりたい。
機械設計の頂はまだまだ先だけど、自分の仕事に対してより良い成果を上げることに集中していた一般社員の頃よりも、さらに上を向くようになったなと自覚した。
⑧所属部部長より
入社当時は、表面上は穏やかで優しい子だなという印象だった。
でも、それと同時に「あ、この男なら大丈夫だ」という印象もあった。
自ら考えて動ける行動力があり、その行動力の礎となる考え方や立ち振る舞いができていたからだ。
業務指示する側としても非常にやりやすかった記憶がある。
それは顧客の担当者の方も同様に感じていらっしゃっただろう。
現在かかわっている開発設計に関しても、業務で直接かかわる機会は少ないが、周りから入る情報だけでも、意欲的な姿勢で多種多様な経験を蓄積していると聞く。
彼の行動・言動・立ち振る舞いが周りの人々に良い影響を与え、全体が良い方向に向かっていくことは間違いないだろう。
きっと、歩んでいく先に様々な問題も出てくると思うが、その時には私や同僚、周りの人を頼ってほしいと思う。
もっと前面に出て、頼って巻き込んでもらえれば何とかなる。何とかさせる。
それが彼のキャリアアップに繋がり、彼のように振る舞える人材が増えていくと考えると、未来は明るいように感じる。
そして、改めて身をもって感じる。
これが部長としてのやりがいか。と。
最近のプライベートな面では家庭を持つことになり、今後しばらくは、非常に大変で重要な時期でもあるだろう。
大変な時期だからこそもっと前面に出て、どのように振る舞い、どのような考え方で行動しているのか?など、そこで得た知見を部下に伝え、育成に役立てて欲しい。